世界を知れば日本が見える 第68回

「日本の万博は使い捨て」インバウンドが大阪万博に抱く不満とは。“ディズニー級”の質を求めるのは酷?

2025年4月に開幕した大阪・関西万博。見応えのある展示が集まる一方で、予約制の不便さや施設の簡易さなどに対する海外来場者の不満の声も散見される。特に、インバウンドの外国人が感じている不満とは? (サムネイル画像:All About ニュース編集部撮影)

大阪・関西万博
大阪・関西万博、海外の反応は? (画像:All About ニュース編集部撮影)
2025年4月13日に始まった大阪・関西万博。10月13日まで開催される世界的なイベントで、日本ではメディアなどで大きく取り上げられ、日本人の中でも楽しみにしている人は多い。
 
158カ国と地域、そして7つの国際機関が万博に参加しており、多くの国がパビリオンを展開している。最新の技術などだけでなく、世界最大級の火星の隕石(日本館)やレオナルド・ダ・ヴィンチの直筆のデッサン(イタリア館)、約2000年前のハスモン朝初期にさかのぼる建築石(イスラエル館)など世界的にも珍しい遺物も大阪に集まっている。

海外の反応は芳しくない?

実は今、日本人のパスポート保有率は17.5%で(2024年調査)、近年、大多数の日本人は国外に出ていない。万博は日本にいながら世界を体感できるイベントで、なおかつ、外国へ旅行に行ってもなかなか見られない珍しい展示品もある。また会場ではいろんな国の人と対話ができる。そういう意味では、万博の意義はあると筆者は感じている。
 
ただ海外の反応はあまり芳しくないようで、海外メディアをチェックしていても大きく取り上げられていない。ただ実際に万博を訪問した外国人らの報告は、SNSなどあちこちで見受けられる。
 
そこで今回、それらの声を拾ってみたい。筆者が見ている限り、外国人からもパビリオンの展示などに満足度は高いようだが、ここではネガティブな見方に焦点を置いてみたい。

大阪・関西万博で、外国人が不満に思っていること

まとめると、いくつかのポイントが指摘されている。
待機列の様子
待機列の様子(画像:All About ニュース編集部撮影)
まずは、予約システムだ。主要なパビリオンが予約や抽選システムだったため、来場者は限られた数の体験しかできず、目玉の展示が見られないという残念な状況になっていたという声があった。混雑を避けるために仕方ない部分もあるのだろうが、それでも会場まで来て、目玉展示を見られないのはがっかり以外の何ものでもない。
 
夢洲駅
夢洲駅構内ビジョン(画像:All About ニュース編集部撮影)
すでに報道にもあったが、開催が始まってすぐはモバイルデータの接続が不安定だったため、会場内で公式アプリが利用しにくかったという。こうした不便さは、万博の満足度を大幅に低下させるのでストレスフリーにしてほしいものだ。
 
また会場内の地図が有料だった点に文句を言っている投稿も。確かに、遊園地で館内マップが有料だったら「ん?」となるのは分からなくもない。しかも購入するには長蛇の列に並ばなくてはならないのだ。
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日本の万博は“使い捨て”のような印象
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