ここがヘンだよ、ニッポン企業 第1回

「不祥事ドミノ」のスシローは、「異物混入」が続いた時のマクドナルドとよく似ている

スシローの不祥事が話題となっているが、かつてマクドナルドでも期限切れ食材や異物混入などの問題が相次いだ過去がある。なぜ「外食」はこのような「不祥事ドミノ」が続いてしまうのだろうか。

相次ぐ不祥事が発覚したスシロー

回転寿司チェーン「スシロー」の「不祥事ドミノ」が止まらない。
 

きっかけは「おとり広告」だった。2021年9~12月、「新物!濃厚うに包み」「冬の味覚!豪華かにづくし」といった広告をテレビなどに流して大々的にキャンペーンを展開したが、店でそれを食べることができる客はほとんどいなかった。すぐに完売してしまったのに、CMを流し続けていたのだ。
 

これに多くのクレームが寄せられ、公正取引委員会と消費者庁が合同調査をして、景品表示法違反(おとり広告)で措置命令を受けた。
 

「人気のキャンペーンならそんなこともあるか」とスシローファンがエールを送っていたところ今度は、店内にまだ始まっていない「何杯飲んでもビール半額」のポスターが貼られるというミスが発覚。注文してしまった客が写真付きでSNSで拡散したところ大炎上、謝罪に追い込まれた。

さらに弱り目にたたり目で、現在やっている「PayPayアプリのクーポン利用で最大10%還元」キャンペーンでは7月19日、一部の店舗でシステム不具合が発生して、PayPayでの支払いやクーポン利用ができなくなってしまった。
 

ただ、実は企業の危機管理を経験していると、ちょくちょくこういうケースはお目にかかる。ある日突然、何かしらの不祥事が発覚する。それを対処しているさなかに、まったく別の悪い話が持ち上がって間が悪いなと思っていたらまた次のスキャンダル、という感じで、気がつけば「不祥事ドミノ」になっているのだ。


>次ページ:なぜ「外食」で「不祥事ドミノ」が多いのか

 

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